【雑誌】40代独身女性向け雑誌「DRESS」が、うわさ通りイタすぎる！

こりゃないよー、って思った雑誌のお話を。
クリニックの待ち時間に読んだ、米倉涼子さんがカバーガールを努める、「DRESS」6月号。（受付から呼び出しまでたっぷり50分、最初から最後まで読めました。）
ターゲットは独身40代。「30代までは練習です！40代からが女の本番！」というキャッチコピーがイタすぎると、ネットで炎上した記憶があります。どんなものかと手に取りました…

ファッションは「艶女（アデージョ）」で一斉風靡したNIKITAのゴージャス感も、実用的なナチュラル服もなく、中途半端なブランド品でした。一番高いハイブランドの服でさえ、「え？そのドレスプラダなの？地味すぎて気付かなかった！」てくらい無難。

そんなことより、世界観。1冊の雑誌の中に3度も、孤独について「どうせ人間、死ぬ時はひとりなのだから」と、孤独を肯定するフレーズが出てきます。最初は読んだことはないけど名前は知ってる女流作家さん。ふたり目はニューヨークでIT企業の女社長を勤める白人女性。三人目は女優の夏木マリさん。揃いも揃って、「どうせ死ぬ時はひとり」
なぜでしょう、潔さ、カッコよさが伝わってきません。目的を追求するゆえの孤独さや、ポジティブな気持ちが全く伝わって来ないのですよね。
それどころか、とってつけた感が漂っています。

えーと、死ぬ時は一人なのは賛成だけど、死ぬまで誰と出会ってどう生きるかが大事じゃないのかしら…？経過をすっ飛ばして「死ぬ時はひとり」って、「どうせ死ぬのにどうして勉強しなきゃいけないの？」という反抗期の中学生みたいです。

お断りしておきますが、私は自分では割と孤独な人間だと思ってます…学生時代、群れてトイレに行くタイプじゃなかったし、楽しそうなことがあれば集団行動から外れてひとりで動いちゃうし（笑）、友達は少しいればいいし。その私ですら思うのが、人間は他者との交流が欲しいの。ぜったい。

例えば引きこもりニートですら、社会とのつながりを求めてSNSに書き込みをします。ニュース日記に、「題名：ふーん」「本文：くだらねぇ（ニュースURL)」だけの短文が多々投稿されてるのを見ると、この人の社会と繋がりたい欲求なんだろうと思います。

それから、100歳を何歳か超えた私の祖母が亡くなる1ヶ月前、偶然帰省中に病室を訪れることができたんだけど、寝たきりで指一本動かすこともできず、長い間声も聞こえない状態の中、視界に私の顔が入ると黒目を輝かせて反応していました。人を見て喜んでいる、とか、祖母はそんな感情すら衰えてしまったのかも知れないですが、確かに反応してくれたのがわかりました。
赤ちゃんが人の瞳に反応するのと似ているのかな、と思ったんですけど。

人はどんな時でも、人が必要。孤独をナメるなー！
…と、この40代独身ターゲットの雑誌に対して怒ったのでした。

なにも、必ずしも結婚が最良の状態だと言いたいわけではないんです。私の親戚のオバチャンに、60歳近くで旦那様を捨てて女友達の家に転がり込んだ人がいると聞きました。いわゆる熟年離婚ですね。
私からすると、熟年になっても頼れる女友達がいることが羨ましくもあるのですが…友達・親族・仕事、どんな形であれ、人と繋がっていることは必要ではないでしょうか。

「DRESS」に登場するアメリカ人女社長、ダメ押しのようにシングルのカッコイイあたし話をアピール。「私は恋愛では賞賛されないとダメなの。相手に合わせるなんてダメ。」。それも大人としてどうかと思いました。
恋人は最初のうちはちやほやしてくれるけど、友人や結婚相手が一方的に自分に合わせてくれる関係などありえません。人は自分の思い通りになんてならないからこそ、みんな気配りや相手を思いやることを学んでいくのに…　結婚しないならなおのこと、人に合わせ、自我をおさえることが必要なのでは…
この雑誌は女性が精神的に成長することを推奨していないのだなぁ。

読者を「まだまだイケてるわ！」と持ち上げ、ブランド品を買わせ、独身女子部でガッチリ固め、ひとり15000円の寿司屋に出費させたいのでしょう。

現実の40代はそんなにバカではないので、この雑誌は消えていくでしょうが…

何が腹が立つって、たかがファッション雑誌が無責任に生き方を刷り込むことです。「孤独カッコイイ」と持ち上げておいて、責任は取りません。
ファッション誌はファッションのことだけストイックに追求して欲しいです。（若年層向けのイケメン至上主義な雑誌にも言えるけど）

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